私が歯の矯正をやろうと思ったきっかけは両親が言った『大人になってもこのままの歯でいいの』という一言でした。
 実際のところ、治療はとても大変でした。歯の大きさに比べてあごが小さかったため、永久歯を上下2本ずつ抜かなければ治らなかったり、定期的に診察に行かなくちゃいけませんでしたし。その中でも一番きつかったことは、ブラケットの針金を変えた日は痛くて思うように食事が出来なかったことです。針金によって歯が引っ張られる痛み(苦痛)は今でも忘れられません。治療中は辛いことばかり覚えています。
 でも今では8年間という長ーい治療を受けてきて本当に良かったと思います。
 なぜかというと、治療前までは、なんとなく食べてきた食べ物もしっかり噛んで食べれるようになったからです。
 初めから歯並びの良い普通の人は自然と出来ることなんですが、私にはとても嬉しいことでした。
 これからはこの歯を大切にしていきたいです。(虫歯もつくらないように頑張ります)
 先生をはじめサポートしてくれた人々、両親に本当に感謝しています。


<ドクターより>
 さとこさん。今回はこのHPに写真を掲載していただき、本当に感謝しています。矯正治療の辛さもその価値も、本当に経験した人でなければ解らないものですよね!私共もなるべく痛くない矯正治療をこころがけているのですが、歯が移動を始める時の痛みは和らげてあげる事ができません。この痛みは歯の周囲のあごの骨が破骨細胞によって吸収されたり、造骨細胞によって作られたりする時の痛みで、初めて歯の移動を始めた時が一番痛かったと思います。
 でも、すばらしい笑顔としっかり咬む事を手に入れられて、本当に良かったですネ! 歯の移動が終わって、7年たちましたが、また気が向いたら時々顔をみせてネ!! 
 今月のグットスマイル
「さとこ」さん 20歳
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さとこさんの治療について
主訴:反対咬合と歯並びが悪いこと
診断:上の前歯が内側へ、下の前歯が外側へ傾斜したことによる反対咬合症例で歯の過大によって
   歯並びが悪くなっていること
治療:1.永久歯が生え揃う前に上下の前歯の咬み合わせを整えておくこと(抑制矯正治療)
   2.永久歯が生えそろってから全体の歯並びを整え、前歯を後退すること(マルチブラケット治療)
   3.新しい歯並びの安定化(動的治療終了・安定化)

 このように、小学校の3,4年生で前歯の咬み合わせが逆になったり左右のズレがあると、その後
の下あごに悪い影響を与える可能性が高いので、前歯の歯並びと咬み合わせを整える抑制矯正治療
というこれ以上悪くしない治療が必要になります。この抑制矯正治療は約1年くらいで放置すると
悪化する要素のみを除去する治療です。
 その後、しばらくは永久歯の生え揃うのを待ちます。
 永久歯の萌出が完了してから、仕上げのマルチブラケット治療を行いました。この治療は全体の
歯並びを整え、さらに前歯の位置をその患者さんにもっとも適した位置に移動するための治療です。
 さとこさんの場合は、歯のサイズが大きすぎてそのまま並べたのでは前歯が出過ぎになってしまう
ので、上下左右の第1小臼歯4本を間引いて並べ治しました。
抑制矯正治療
小学校4年生
マルチブラケット治療
小学校6年生
動的治療終了・安定化
中学校2年生
笑顔の画像をクリックすると、それぞれの段階の治療内容をみることができます